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Storytellers Cafe

「チキン・リトル」公開月

すっかり浦島状態になってるうちに、「チキン・リトル」公開が12月17日から23日に変更されてて焦りました。ずいぶん年の瀬押し迫ってからだなぁ。うーん、何があったんだ?別にハリポタと被ってたわけでもないし。17、18日のみ一部で先行上映ありっていうのも意味わかんない…。

とりあえず、全米での興行成績はなかなか健闘してるようですね。日本でも、関心度はけっこう高そうだし、最初の週あたりの成績はかなりいけるんじゃない?という気が。まあ、問題は客入りが長続きするかどうかで、その点、「ラマ」のように、事前の話題性がなくても口コミで広まっていく…というのは映画の理想的な売れ方だったなぁと思います。

それにしても、今回は事前の商品展開が予想以上にすごい。チキン・リトル、3Dキャラのくせにぬいぐるみとか立体系のものが全然かわいく見えないのはどうかと思うが(笑)TDRで事前にオリジナルグッズ売ってるっていうのは異例の事態じゃない?まさか「ヘラクレス」以来…?マーク・ディンダル監督もきっと喜んでる…というより戸惑ってそうな気が。「ラマ」の扱いがアレだっただけに。

そういえばフルマー&ディンダル、今回も来日しないんだろうか。このふたりの舞台挨拶とか、なんか楽しそうで見てみたいんだけど。日本のディズニー雑誌で堂々と“少々ずんぐりして”いて“なんとも苦労人な感じ”と紹介されるフルマーさん…それでいいのか。ていうかそれでいいのか講談社。

日本版公式サイトの<映画情報>にも、ようやくスタッフ情報やプロダクションノートが出揃いましたね。…なんか大げさなこといろいろ書いてあるけど、フルマー&ディンダルだからなぁ。単純にくっだらなくて楽しそう、でいいんじゃない?個人的に、感動とか迫力とかは最初から望んでないので、軽く笑える(&できれば少し毒気のある)カートゥーンだったらいいナ、と期待。


P.S.
パット・モリタ氏のご冥福をお祈りします…

「シンデレラ」プラチナ・エディションDVD

長年発売が待たれていた「シンデレラ」DVDがとうとう出ました。とりあえず、2枚組の“プラチナ・エディション”の方を購入。

<本編について>

以下ネタバレあり…っていうかいまさらネタバレっていうストーリーでもないか?

「シンデレラ」、まともに観たのってもしかしたら20年ぶりくらいかも。どうも50、60年代のディズニー映画は、あまり興味が持てないというか好きになれないんだけど…。

これが今から55年も前に作られたことを思うと、すごいわやっぱり。デジタル・リマスターで蘇った映像は本当にきれいで、今観ても動きは素晴らしいし、レイアウトは新鮮だし。あのシャボン玉のシーンとか、当時の技術で普通の神経じゃ作れないよね。

でもなにより衝撃的だったのは、シンデレラ、全然ラブストーリーじゃないじゃん、という事実。シンデレラと王子とのエピソードなんてほんの一瞬。目が合ってダンスして12時になってハイおしまい、みたいな。(しかし、星空の下で踊って月明かりの橋の上で語らうなんて、今じゃ恥ずかしすぎて誰も描けません。ピュアというか単純というか、ベタが通じた古き良き時代というか。)

それにひきかえ、ネズミとネコと犬の狂騒的攻防戦の長いこと長いこと。いや、動物が活躍するのは好きだし、ネズミも好きだけどさ…こんなにいっぱい出てきて超絶ベビーボイスで歌われるとさすがに頭痛くなるわ。犬猫は思いっきり不細工だし。どう考えても、動物絡みのシーンだけノリが別物。特典映像で、この部分を担当したのがナイン・オールド・メンの変人ウォード・キンボールってのを知って納得した。この人のカートゥーン、クレイジー過ぎて正直ついてけないのよー。

それでなくても、現在「シンデレラ」がプリンセス代表格として扱われてるのは違うよなと、改めて思う。シンデレラって姫じゃないし、王子と結婚したいとも思ってないし。ただ、最初に目の合った男と踊ってたらそれがたまたまプリンスだったの…って本当は計算だったんじゃないのか?という気はするが(笑)純粋姫の白雪姫やオーロラとくらべて、しゃべり方も身のこなしも庶民っぽくて、この時代にしては人間くさいヒロインだったんじゃない?何気に強気で口答えするし、文句つけるし、この娘なかなかやります。一番すごいのは、ガラスの靴が割れちゃっても顔色ひとつ変えないシーンでしょう。これが白雪姫なら失神。やっぱり、シンデレラはやり手。

原作にない、ガラスの靴が割れるくだりは秀逸だけど、惜しいのは、映像特典で紹介されてる少し捻ったエンディングが結局カットされて、単純なウェディングシーンで終わってしまったところかな。ボロ姿のままお城に連れてこられたシンデレラを、王子がためらいなく受け入れてハッピーエンドとなる予定だったらしいんですよ。当時の感覚でどうだったかはともかく、今ならその方が好まれるよね。少なくともお人形王子の株はあがってたはずだ。

<特典について>

プラチナ・エディションなんていうから、よっぽど特典映像が充実してるのかと思いきや、いきなり、音声解説がなくて拍子抜け。ちょっと、ジョン・ケインメーカーでもレナード・マルティンおじさんでも誰でもいいから、なんか解説してよって感じ。

でも、DISC 2の「製作の舞台裏」は、かなり満足できる内容だった。メイキング編は見応えがあるし、ナイン・オールド・メンへのトリビュートもよかったなぁ。彼らと働いた経験のある現代のクリエーターたちが集まって思い出を語るという企画で、おなじみグレン・キーンやアンドレアス・デジャ、珍しいところでは「Mr.インクレディブル」のブラッド・バード、うれしいことに久々に見るジョン・マスカー&ロン・クレメンツまで揃った大物メンバー。まあ、彼ら自身が相当オールド・メンになってきたな、というお姿でちょっと寂しい気もしますが…。その後に続く世代としては、クリス&ディーン、マーク・ディンダル、ジョン・サンフォードあたりがいるから大丈夫かな。全員異端児っぽいけど(笑)

コンセプトアートを手がけたメアリ・ブレアへのトリビュートも、心憎い。この人、ディズニーパークの“it's a small world”のデザインで有名だけど、アニメーション分野でもすごく影響力があったんですね。当時、女性で活躍していたアーティストって珍しいし、これからもっと評価される人じゃないかな。

未公開シーンやストーリーボードの紹介、ギャラリーなどお約束的な特典も、納得の充実度。当時のラジオ放送や1922年に作られた白黒の「シンデレラ」(シュールすぎて怖い)は相当貴重な資料だろうし。

と、ここまでの賛辞で終わりにしたいところなんだけど…。

残念というか腹立たしいことに、この他の映像特典と称するものが、ひどすぎて手に負えなくって、どうにもこうにも。こじつけすぎて理解に苦しむ“スポーツ界のシンデレラストーリー”だとか、女児ターゲットにプリンセスブームを露骨に売り込む“プリンセスのすべて”だとか。もう、クズ、としか呼べない。なんか、今のディズニーという企業の最低な部分をこれでもかと見せつけられたようで、久々にDVDを投げつけたくなったよ。こんなことで企業イメージを下げまくってることになんで気がつかないかなー。まったく恥ずかしい。

2枚組じゃなくてもいいから、本編とまともな映像特典だけで構成されてたら、何も文句なかったのに。次のプラチナ・エディションDVDは「わんわん物語」?なんだかプラチナ・エディションという言葉に信用がおけなくなってきて、正直、買うか微妙だな…。


あ、全然関係ないけど。

“Kronk's New Groove”(「ラマになった王様」のチープ続編DVD)ってガセかと思ってたら本当に出ちゃうんですか。うーん、予告だけで激しくつまんなそう(^^;

さらに全然関係ないけど…

「ターザン」ブロードウェイ化の後は、ラスベガスに進出?というJim Hillの記事を見て、即座にラメ衣装のゴリラが“My Way”を熱唱する姿が浮かび…それは「ジャングル・ジョージ」だと気づく今日この頃(^^;;

「チキン・リトル」って大丈夫?

はい、余計なお世話といえばそれまでだけど(笑)

チキン・リトル」日本公開日が12月17日に決まったのですね。(全米公開は11月4日)日本でクリスマス・正月映画としてWDFA作品を堂々と出すのって相当久々だと思うんだけど、話題性はあるのでいける、と睨んだのでしょうか。うん…大丈夫か?

とりあえず、字幕と吹き替え両方あるらしいんでほっとした次第。(改めて「ラマ」って…)ていうか、今回の吹き替えって本気であの予告編のまま?最初にディズニーストアであれが聞こえてきた時、にわかに信じられないほどイメージ外してたんですが。いや、信じたくないよこれは…。

相変わらず、どういうセンスなんだと思うような予告編作ってますし。どう捻っても感動系じゃないだろこの映画?アメリカ版は、それなりにフルマー&ディンダル色が感じられておもしろそうなんだけど。

まあそんなことはどうでもいいんだ。日本の宣伝なんて、もう慣れたさ。それより、ほんとにチキンリトル大丈夫?と思ったのは、これ見た時。

リトル・スシ屋…って…

いや、こういうのって、もうあらゆることをやり尽くしてネタのなくなったキャラが行き着くとこでしょ?某くまのぷーさんとか。最初からこれでどうするチキン。

なんかこの子って、つくづくダメキャラ…見てるだけで力抜けてくるんですけど。そもそもキャラクターデザインがやる気あんのか?って感じだし。ディンダル監督といえばとにかくウザいとか暑苦しいとかアクが強いとか濃いいキャラってイメージだったから、このタイプは新鮮?なかなかいいかもね。しかも脇役もみんなダメそうなのばっかだよ~。とにかく、友人が「ブタ」とか「みにくいアヒル」とかで、容赦なく文字通りの外見っていう時点でヤバイよな(笑)(しかもアヒルの声が、ジョーン・キューザック!楽しみー。)いいねいいね、ダメキャラ。今、かなりぐっときてます。

だからさ、日本版のキャッチコピーも「ディズニーの仲間たちも、みんなで呆れてます」とかだったらよかったのに。

“Fraidy Cat” by マスカー&クレメンツ監督

毎度おなじみJim Hill Mediaさんの数日前の記事から、気になったこと。
“Why was the head of WDFA afraid to put "Fraidy Cat" into production?”

ウォルト・ディズニー・フィーチャー・アニメーション部門(WDFA)で進行していた“Fraidy Cat”という作品の製作が中止になったというお話。何が気になったかというと、この作品、ロン・クレメンツ&ジョン・マスカー(通称ロン&ジョン)が監督する初のCGアニメーション映画になる予定だった、ということ。こんなプロジェクトがあったこと自体知らなかったし、ロン&ジョン監督がまだディズニーの仕事に携わってたということにびっくりした。

このおふたり、去年の2月をもってディズニーとの契約を終了してフリーになったと報道されてたから、てっきり他社で何か作ってると思ってたんだよね。今回のプロジェクトがなくなって、今度こそ本当にディズニーを離れちゃうそうだけど…。なんか、去年のショックが癒えた頃になって、また同じショックを受ける羽目になった気分。

中止になってから、どんな映画になるはずだったと知るのも虚しいものだが、“Fraidy Cat”は、1匹の飼い猫がヒッチコック映画のような冒険をするというコメディ/スリラーもので、ストーリー・リールの時点で、ものすごくおもしろいと評判だったそうだ。

そりゃあ、さぞかしおもしろかったんでしょう。ディズニーを代表する名ストーリーテラー、ロン&ジョンが手がけてたんだもの。個人的には、猫版ヒッチコック、という設定だけで、ネズミ版ホームズ(ロン&ジョン初監督作品の「オリビアちゃんの大冒険」)を思い出してドキドキしてしまう。ああ、これが製作中というニュースだったらどんなにうれしかったか。

こんなに有望なプロジェクトが、“この作品じゃ、グッズや続編が売れなそう”などという判断で中止にされてしまうというWDFAの現状を、Jim Hillさんの記事は嘆いているわけだが、それが事実ならまったく同意。そんなの、間違っとる。フェアじゃない!

確かに、ロン&ジョンの作品はこれまでも、「リトル・マーメイド」「アラジン」の例外を除いて、関連商品が流行るようなタイプではなかったけれど、映画としてのおもしろさは格別だった。何よりもストーリー重視で、キャラクターが媚びていないところが魅力だったのに。

グッズを売るために映画を作るなんて、本末転倒もいいところ。ただ商品にするためにキャラクターを作る商売なら、サンリオかどっかに任せておけばいいじゃない。いくらグッズやテーマパークが好調でも、フィーチャーアニメーションを放棄したら、その時点でディズニーはもうディズニーじゃないと思う。ディズニーフェアリーズなんて、全然興味ないってばー。

こういう経営体質は、もはや、トップが交代しようが、ロイ・ディズニーが戻ってこようが、簡単には変わらない気がする。それを考えると、ロン&ジョンがディズニーを去って他社で映画を作るというのなら、それは喜ばしいことなのかも…。

まったくもう、ディズニーファンにこんな寂しいことを言わせないでよねー。たまには、フィーチャーアニメーション絡みで明るい話題を書きたいよ。

「ホームオンザレンジ」メイキング本

大変にいまさらながら、「ホーム・オン・ザ・レンジ」のメイキング本にあたる“Home On The Range: The Adventures of a Bovine Goddess”を読んだ。
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なんでこんなに時機を逸したかというと、表紙がこれだったから、メイキング系の本に見えなくてスルーしてしまっていたため。ただの子ども向けの絵本だと思い込んでた。

うんでも、子ども向けっていうのは当たってたかもしれない。映画のメイキング/アート系の本として、大人が楽しめる内容じゃなかった。それどころか、つまんなすぎて…なんだこれ…?というのが率直な感想。

何がいけないかって、設定が“主演女優マギーが書いた本”。なんとも恐ろしいことに、この本によると、「ホーム・オン・ザ・レンジ」はアニメーションじゃなくて実在の動物俳優たち(!?)による実写映画だったことになってるのだ。

おかげで、あんなに豪華だったボイスキャストの存在は全く無視されているし、アニメーターたちは、“演技指導者”として紹介されるという苦しすぎる展開に。手描きアニメーション集大成の作品なのに、アニメーションへの言及ができないってどういうことよ。際立ったアートスタイルの背景画も、ロケ地という設定のために曖昧にごまかされた記述で終わっている。

しかも、マギーのふりをした文章の寒いこと…。いちいち動物がらみのギャグというか駄洒落を使うんだが、ひとつも笑えなかったのは、自分の英語力のなさのせいだけでもないと思う。正直、この本のせいでマギーというキャラクターへの愛着が揺らいできた。

この手のメイキング本って、アニメーション製作の舞台裏が知りたいから読むもんでしょ?架空の舞台裏をわざわざ捏造するなんて、理解に苦しむ。これが遊び心とか、この作品にぴったりなアプローチだなんて思っているなら、そりゃあ哀しい勘違いってもんよ。

目新しい切り口のメイキング本を作りたいという気持ちは、わからなくもない。最近のディズニーのメイキング本は、作品毎に特徴あるおもしろいものになってたから。でもこれに限っては、ストレートに製作過程を語ってくれた方がどんなによかったか…と読みながら歯がゆくなった。

著者は、ディズニーの子ども向け絵本をよく手がけている人。子どもにも親しみやすいメイキング本を、という目的があったのかもしれないけど、だったら大人向けを別に作ってくれないと。この手の本のニーズがあるのは圧倒的に大人だと思うんだけど、どうなの?

「ホーム・オン・ザ・レンジ」の場合、この先、新たな関連本が出るなんてことはあり得ないだろうし、2枚組スペシャルエディションDVDもまず作られないはず。だからこそ、唯一のメイキング資料がこれっていうのは残念すぎる。情報としては、これ1冊よりDVDについてた短い映像特典の方がよっぽど充実していたくらい。製作途中のコンセプトアートやストーリーボードも載ってることは載ってるけど、少なくて物足りない。

…困った。好きな作品を応援するという意味では、関連品として人にも薦めたいのだけれど、こればっかりは誰にも薦められないなぁ。あまりにも子ども騙しで、ツッコミを入れて楽しむことすらできない。まあ、呆然としてみたい人なら読んでみてもいい、か…?苦しい…。

クリス・サンダース伝説

クリス・サンダースは、期待を裏切らない人だ。

天才的なストーリーアーティスト/ディレクターとして「ムーラン」や「リロ&スティッチ」を世に送り出し、ディズニーファンの期待に応えた、という意味ではもちろん、彼自身のパーソナリティが、リロ&スティッチの生みの親はこんな人であってほしい、というファン心を満足させてくれるという点においても。

会ったこともない人についてこんなふうに言うのもなんだが、彼にまつわるエピソードを見聞きするたびに、この人は本当にリロたちの世界に住んでいるキャラクターなんじゃないか、と思ってしまう。とりあえずリロやスティッチが彼の分身であることは、疑いようがない。(本人曰く、彼の分身はリロで、スティッチは彼の妹がモデルなんだそうだが。)

例えば…マウスウォッシュで鼻の穴を洗ってしまうクリス・サンダース。(よい子は真似してはいけません。)相棒ディーン監督のお誕生日に、わざと小さすぎる蛍光色の海パン(&ディーンさんがそれを着ている予想図)をプレゼントしちゃうクリス・サンダース…。

そんなサンダース伝説に、新たなエピソードがまたひとつ。LaughingPlace.comの新コラム、“セレブが語るディズニーパークの思い出”の栄えある第一回目に選ばれたクリス・サンダースが語った、初めてのディズニーランドの思い出。

おばあちゃんたちに連れられ、はるばるコロラド州からディズニーランドにやってきた7歳かそこらのクリス少年。最初にパークを目にした瞬間、興奮のあまり吐いたそうだ。(記事は、ご丁寧に本人の声による証言つき)

ああ、クリス!おお、クリス!あなたはどうしてそんなにクリス・サンダースなの!?

だからなんだ、という話だけど、猛烈にツボなんですけど。ある意味、この頃からスティッチの習性を身につけていたのね(笑)

そんなクリス監督の最新作「アメリカン・ドッグ」も、順調に製作が進んでいるもよう。数日前のJim Hillの記事に、新しいコンセプトアートがいくつか掲載されていた。今までのCGアニメーションからは想像がつかないようなタッチで、独特の世界観を持っていそうで、ハチャメチャな設定っぽくて、主役のワンちゃんがキュートで…こちらも期待大。

トゥーンスタジオに思うこと

シドニーのディズニー・トゥーンスタジオが閉鎖されるというニュースがちらほら。(詳しくはJim Hill Mediaを参照。)

シドニーって、トゥーンスタジオ(旧TVアニメーション部門)の中では絵がマシな方じゃなかったっけ。これからは、続編ものDVDの製作は、より人件費の安いマニラや台北でおこなわれるとのこと。“Cheapquels”がますますチープになるわけだ。Cheapquelsというのは、アメリカのディズニーファンの間でよく使われる、Cheap(チープ)とSequel(続編)の造語。誰が言い出したのか知らないけど、うまいネーミングだ。無理やり日本語にするなら“俗編”てとこか。

Cheapquelsの氾濫は今に始まったことじゃないが、私はようやく最近、もう購入しないと自分に誓うに至った。安っちい続編でも、映画へのささやかなトリビュート、またはツッコミネタと割り切れば、それなりに楽しめると思っていたし、事実かつてはけっこう好きな続編もあったのだけど。最近は、続編ものの図々しさが鼻につくようになって仕方がない。

特に、フィーチャーアニメーション部門(WDFA)の縮小やCG作品への移行と同時進行で、トゥーンスタジオ作品がやけに大きな扱いを受けるようになってから。そこには、策略的なものを感じる。手描きのアニメーションをやめたという印象を与えず、お手軽なトゥーンスタジオ作品で需要を満たしていこうという、安易なごまかし。WDFA作品の証であった“ディズニー・クラシックス第○○作品”という呼び方もいつの間にかなくなり、日本においては、トゥーンスタジオ作品(ex. 「ピーターパン2」)が劇場公開されるのにWDFA作品(ex.「ホーム・オン・ザ・レンジ」)がDVDオンリー扱いという逆転現象まで起きる始末。

今年に入ってからDVD発売されたのなんて、ほとんどがトゥーンスタジオ製なんじゃない?続編もののくせに、仰々しく“メイキング・オブ~”だとかの映像特典がついてるのはなんか違うんじゃないかと。何より、続編ものと元の映画は全く別の部門が作っていることを、消費者にはっきりと伝えていないのがいけない。「リロ&スティッチ2」が「リロ&スティッチ」と同じクルーによる作品だなんて思われたら…考えただけでたまらない。

こんなこと言っても、トゥーンスタジオ作品に携わる人たちを低く見ているわけではないけど。念のため。続編もの以外では、TVアニメーション系ならではのいい企画もやっていると思うし、WDFA作品との質の差は、クリエーターの能力の差というより、どれだけコストをかけることが許されているかの差だろう。

そしてそれがきっと、続編ものがリリースされ続けている最大の理由でもある。ディズニークラシックス作品は、企画から完成まで4~6年はかかるのが通常で、少なくとも200人を越すスタッフを必要とする。莫大なコストをかけて、何もないところから全く新しいストーリーを、アートスタイルを生み出していくのだ。ひとつひとつの作品が、後世に残るようなアートの創造を目指しているから、コストが高い分リスクも大きい。

対照的に、トゥーンスタジオの続編ものの目的は、できるだけ時間や手間隙をかけないで儲けること。すでに一定の人気を得たキャラクターや物語設定を利用すれば、余計な労力やリスクを回避できる。要するに便乗商売なのだ。それで儲けることができるなら、わざわざハイリスクなクラシックス作品を重んじることもない。その結果どんなにクラシックス作品のイメージを壊そうとも、ディズニーブランドの価値を下げようとも、経営的に考えたら出し続けるでしょう。Cheapquelsが売れる限り。

そう考えると、ディズニーアニメーションを駄目にしているのは、嫌な言い方かもしれないが、Cheapquelsを甘んじて享受している私たちディズニーファンなんじゃないか、とも思えてくるのだ。確かに最近は、トゥーンスタジオのクルーの努力の成果か、Cheapquelと言えども、一時期ほどアニメーションがひどくないものも出てきた。でも、その程度で満足しちゃったら、騙されている気がする。WDFAが何年もかけて創り出すクラシックス作品とは、根本的に違うのだ。トゥーンスタジオ作品ばかりに慣れてしまうと、アニメーションを見る目が鈍りそうで怖い。続編ものだけを見た人に、ディズニーってこんな程度のもん、と高をくくられてしまうのも悔しい。

だから、もう買わない。これからは。