Storytellers Cafe

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「ニュー・ワールド」

“実写版ポカホンタス”こと、「ニュー・ワールド」(The New World:2005年米)を観てきた。微妙。なんとなく納得できないというか、ざわざわした気持ちが残る。

この映画について、「長すぎ」とか「トロい」とか「退屈」とか文句をつけるのは野暮なんだろう。そういうのは、監督のテイストが自分に合わなかっただけなのだから諦めるしかない。諦めて腰を据えて、テレンス・マリック監督の素晴らしい映像美を堪能すればいいんでしょ?(それにしても、たった135分とは思えないほど長くて辛かったけど…。)

だけど、どうも割り切れなかった。映画化を知った時から抱いてきた、なぜ今、ポカホンタス?という疑問に対する答えが見つからなかったからかな。確かに、ヴァージニア州の大自然は絵になるけど、対立の中で許されぬ恋に落ちる恋人たちも絵になるけど、現代の視点から見てあまりにもいろんな問題意識を呼び起こすポカホンタスという題材で、それだけってことはないじゃん。別に、映画に明確なメッセージが必要だとは思わない。(むしろ、監督の主張を押しつけてくる映画ってウザいし。)でも、ただの美しい風景画よりは、その奥にある心を見たい。その風景を、“美しい”で片付けていいのか疑問に思う場合は特に。

ストーリーは、まあこんなもんだろうな、という感じ。ポカホンタス伝説に全くなじみがなければへぇーと思えるかもしれないが、お約束の説をそのまま、さらっとなぞっただけの印象。前半はジョン・スミス視点。後半はジョン・ロルフ視点。合間にポカホンタスの視点も入るけれど、ご都合主義的でしっかりした人物像になるには至らず、結局彼女は入植者側によって描かれた対象でしかないのだな、と思う。良くも悪くも無難なまとめ方。ポカホンタスに関しては、時代が古すぎて“史実に忠実”なんてあり得ないわけだし、そもそも歴史的な題材を“公平に”描くことなんて不可能で、映画作品に要求されることじゃない。いっそ、意図的に偏った視点で大胆な解釈をした方がおもしろいのに。

登場人物の視点の定まらなさ(&カメラの定まらなさ)は、そこに第三者の視点が存在しているかのよう。観ているうちに、それは“神”か?という気がしてくる。だとしたら、ポカホンタスの信じる“グレートスピリット”には当てはまらない、狭い定義の神様だ。ポカホンタスがジョン・スミスのことを「この人は神?」というシーンが何度か出てきて、おいおいそりゃあないだろ、とひどく気になった。その神の概念自体が西洋的だから、あり得ない。ポカホンタスとスミスとの交流シーンでも、ポカホンタスはスミスの言った単語を繰り返してみせるのに、スミスは一方的に英語を教えるだけ。こういうところが傲慢に思える。結局、“ニュー・ワールド”はスミスやロルフにとっての新世界でしかないのだ。そうすると、ここに描かれる衝突は異文化間のものではなく、文明vs自然という時代遅れの二項対立なんじゃないか?という嫌な予感までしてくる。

ポカホンタスとスミスとの恋愛模様も、なんかしっくりこなかった。恋愛観が当たり前のように西洋的だからかも。個人的には、ふたりのロマンスなんてスミスの作り話だと解釈しているのだけれど、もしそれが現実にあったのだとしたら、もっと本能的な感覚に基づいているものだった気がする。恋愛シーンで流れる音楽が、既成のクラシックというのも場違いな感じ。それと、年齢差がやっぱりね…。15歳のあどけないクオリアンカ・キルヒャーと、むさい髭面のコリン・ファレルとの恋愛って、やっぱり違和感があるんだわ。後半に出てくるジョン・ロルフが、また都合よく描かれた男って感じだし。

ちょっとおもしろかったのは、ロルフを演じているのがディズニーの「ポカホンタス」でトーマス役だったクリスチャン・ベールってことですね。さらにおもしろいことに、ポカホンタスの声を担当してヴィジュアル的にもモデルになったアイリーン・ベダードが、この作品ではポカホンタスの母親役になってる。偶然なのか知らないけど。主役のクオリアンカ・キルヒャー自身も、容姿はあのポカホンタスそのものって感じ。まあこれは、ディズニー版も今回のも同じ肖像画などを参考にしたからでしょう。スミスがコリン・ファレルっていうのも、キャラ的には合ってるかと。そうそう、個人的に気になっていたココアムさんらしき?役、影薄いけどちらっと出てきて、やっぱりあっさりお亡くなりに…。あと、こう言って通じる方も少ないかとは思いますが、ウタマトマッキン出てきたよ。このへん、個人的希望としてはWingapo!さんとかサムイマさんにツッこんでほしかったり。思いっきり「うぃんがぽー」って挨拶出てきたし。

いっそのこと、ポカホンタスがアライグマとハチドリ連れてるとかしゃべる柳が出てくるとか(笑)、ツッコミどころ満載のトンデモ映画だったらよかったのになぁ。
スポンサーサイト

コメント

期待はずれですか…

見たいと思ってる映画の一つなんですけどな。しかし作品紹介を見るにもやはり史実の重さが足りないな、と思いました。
年齢差は…そういう話だから、で納得するしかないと思いますが。

  • 2006/05/14(日) 15:01:55 |
  • URL |
  • ff #/W1d8xYs
  • [ 編集 ]

そうですねぇ、私の場合、映画自体よりポカホンタスという題材がどう扱われているかに興味があっただけなので…映画に何を求めるかによって評価は変わると思います。絶賛している人も多いようですし、とりあえずご覧になってみることをお奨めしますよー。

  • 2006/05/15(月) 22:38:27 |
  • URL |
  • Nao #mQop/nM.
  • [ 編集 ]

歴史を振り返ることが重要になってるんですよ。大学に授業でも取り上げられている題材ですよ。私は忠実に表現されてていいとおもいますけど。

  • 2006/05/24(水) 19:18:58 |
  • URL |
  • sn #-
  • [ 編集 ]

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://dstories.blog9.fc2.com/tb.php/78-098193ea
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。