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「僕の大事なコレクション」

僕の大事なコレクション」(Everything is Illuminated:2005年)を観てきた。祖父の残した写真を元に、アメリカからウクライナに旅して自分のルーツを見つけるユダヤ系の若者を描いたロードムービー。

公開2日目で休日だから混んでるの覚悟してたんだけど、座席の3分の1も埋まってなくてびっくり。アメリカのワーナー作品でイライジャ・ウッド主演だからメジャーだと思ってたんだけど、そうでもないんですかね。ぱっとしない邦題のせいかなぁ。なかなかいい映画だったのにもったいない。

なんでこの映画に興味があったかというと、最近お気に入りのバンドGogol Bordelloのボーカル、ユージーン・ハッツが出演してると知って。動いてるところ見たことなかったのでどんな奴かと思ってたんだけど、うーん、個人的にちょっと苦手なタイプだった…。歌は好きなんだけどねぇ。でも、長身でルックスは一般ウケしそうだし(普段は変な格好で変なヒゲはやしてるけどね)、役者としても人気出るんじゃないのかな。あの東欧なまり丸出しの英語が素だとすると、演じる役柄は限られてきそうだけど。今回は、役柄が素顔に近かったんだろうね。映画初出演にしてイライジャ・ウッドを完全に食ってた、というか、ユージーンの方が実質的な主役って感じでした。

挿入歌とエンドクレジットにもGogolの曲が使われてたし、他のメンバーもエキストラ出演していたとか。途中で出てきた駅で演奏してた奴らがそうだったのかな?このバンドについては、改めて語らなくちゃ。Gogolの曲以外も、音楽がかなりいい感じだったので、サントラCD買いたくなりました。

ただ、映像や話のテンポがしっくりこなくて、音楽だけが浮いてる感じは拭えず。舞台となるウクライナの大地はとてもきれいで、ひまわり畑が出てくるところなんかは「黒猫・白猫」かよ!と思ったけど。(そういや、ユージーンの後ろをロマ系?の楽団が演奏しながら追いかけてくるシーンもびびった。)そのわりに、地に足がついていないというか泥臭さが足りなくて、リアリティが感じられない。これが、アメリカ映画が外の世界を描く限界?正直、いまいちかも?と、けっこう冷めた目で見てしまった。

でも、話が佳境に入って、ようやく映画の言わんとしているところが解ってくると、納得。アメリカから来たイライジャも、都会っ子でアメリカかぶれのユージーンも、ウクライナの田舎の風景をよそ者として眺めていたのだから、土着の感覚がないのは当然なのだ。自分の過去をそこで発見するまでは。

ユージーンのじいちゃんの存在を通して、異なる世界で暮らすふたりが、共通のルーツを発見する。過去に照らし出されることによって、薄っぺらく感じられてきたふたりの人物像までもが、意味を持ってくる。ここまで、イライジャの役に生気が感じられないとか、展開がぎこちないとか、脚本がうまくないんじゃないかとか不満に思っていたのが、最後の方で一気に挽回しましたね。また、じいちゃんを演じたボリス・レスキンっていう人の演技が素晴らしくて。真の主役は、イライジャでもユージーンでもなくてこの人だったのかも。

ホロコースト、ディアスポラの歴史というテーマ自体は、特にアメリカ映画では目新しいものじゃないけど。それを現代に生きる若い世代へとつなげて、普遍的な物語に仕上げたところに共感を覚えた。過去と向き合うこと。記憶を語り継ぐこと。そして、ここにいる自分という存在を知ること。重い歴史を描きながらも、今を生きていくという前向きさが爽やかな映画でした。
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