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「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」

ウォレス&グルミット待望の新作「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」(Wallace & Gromit in The Curse of the Were-Rabbit)を観てきた。ひとこと、満足

ウォレスとグルミットは、長編になっても「チキン・ラン」にはならなかった。ドリームワークス映画じゃない、生粋のアードマン作品の香りがする。ディテールに凝りまくった、温もりのある手作り感を主張。初期の頃からのファン層と、今回の長編で初めてW&Gを知ることになる客層とを両方満足させようという心意気が伝わってきて、そして、その試みがしっかり成功していたと思う。お見事。

言葉ではなかなか説明できないウォレスとグルミットの微妙にして絶妙なパートナーシップを、数枚の写真で見せてしまうオープニングで、もうニヤニヤが止まらず。おなじみの、ヨークシャーブラスが陽気に響くテーマ曲が変わってないのもうれしい。音楽は、いつものジュリアン・ノットが「ライオン・キング」のハンス・ジマーとコラボしたということで、若干W&Gの世界にそぐわないうるさい部分もあるにはあったのだけど、途中で「盛り上げるな!」という内部ツッコミが入ったので許します(笑)

何よりうれしかったのは、ウォレスとグルミットのキャラがしっかり維持されていたこと(中年ウォレスのお腹がだらしなく出てきたという意図的な変化は別として…)。ウォレスの珍妙な発明はますます冴えまくり、そしてなんといっても、グルミット、グルミット、グルミットォォォ!相変わらず、涙が出るほど愛しいグルミットがそこに。今回、グルミットはM系気質に研きがかかったのか、こんなことやあんなこと、ファンとしてはひぃぃぃな心境になるようなことまでやらされてしまうのだけど…。個人的には、丹精込めたウリのエピソードがなんともグルミットらしく、涙、涙でした。大量に出てくる野ウサギが、またブサイクでキモかわいくってね。前作の羊の大群以上にツボでしたわ。あのウサギたちのぬいぐるみとかあったら、大量買いしたくなりそう…。

ウォレス以外の人間キャラも、恐れていたほどは違和感がなく、うまく主役のふたりを引き立てていた。たぶん、ニック・パークは最初の短編を作った時、このシリーズにウォレス以外の人物を出すことは想定していなかったんじゃないかと思う。だから、ウォレスが人間代表といった特徴のない外見で、他の人物の描き分けはどうしてもウォレスにプラス髭、プラス髪の毛、という感じになってしまうのだけど、今回の人間キャラたちを見ていると、それをこのシリーズの持ち味に昇華させた印象を受ける。全員なんとなくエグイ感じなのも、よろしいんじゃないでしょうか。セレブなボイスキャストを売りにするのはドリームワークスの悪い癖だが、ヒロイン役のヘレナ・ボナム・カーターも悪役のレイフ・ファインズも、自己主張しすぎず、W&Gの世界になじんでいて好印象だった。

ストーリーは、長編らしく少々複雑になり、アクションシーンの見せ場も多くなっているけど、基本は呑気でバカバカしくちょっぴり不条理なW&Gワールド。笑いどころ満載でした。あのがまぐち…いいわぁ。ただ、ラストはちょっと急ぎ足というか、解決が安易で、製作時間が足りなくなったの?とでも言いたくなるような物足りなさが残る。クライマックスのスピード感のまま、急ブレーキで終わってしまった感じ。もう少し落ち着かせて、いつものようにウォレスとグルミットが日常に戻っていく様子まで見せてほしかったな。ラスト近くまでは自分の中で大絶賛モードだっただけに、残念です。まあそれにしたって、これだけおもしろかった映画にケチつけることもないか、と思うけど。

それより、少しショックだったのは、ウサギの大群がふわーりの場面。後でパンフレットを読んで知ったのだけど、あのウサギたち、CGだったのね…。確かに通常のクレイアニメーションでは物理的に無理な場面だけど…観ている間、クレイモデルとの区別がつかなかったことがショックでした。クレイ独特の指紋まで再現されてるんだもん。CGであんなに手作り感が出せるなら、本当に手作りする意味って…?と考えてしまう。アードマン初のオールCGとなる最新作は、パンフレットによると早くも今年完成予定だというし。今まで、アードマン作品がCGになることにものすごい抵抗を感じていたんだけど、出来上がったものが同じに見えるなら、どうしてクレイアニメーションにこだわるわけ?と考え始めると、うーん、うーん、うーん…。

なんとなく保守的になってしまうのが、ファン心理というものでしょうか。W&Gに次回作があるとしたら、今までと同じクレイアニメーションの手法で、また公開まで10年くらいかかればいいのに、なんて思ってしまう。今回の長編が、それだけ長ーく待った甲斐があったと思えたからだろうけどね。
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