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「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」

なんか、とにかくノリのいい音楽の映画が観たくて…と知人と話していた時にお薦めされたので、「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」(Hedwig and the Angry Inch: 2001年公開)を借りて観た。

そういえばこれ、映画館でやってた時にちょっと興味があって観てみようかと思っていたんだけど、宣伝に載ってた浜崎あゆみのコメントで冷めてやめちゃったんだった。(映画プロモ担当の皆さん、やたらに芸能人使うとこういうデメリットもあるのよ。)

やっぱり映画館で観とけばよかった。元になってるのがオフ・ブロードウェイのロックミュージカルだけあって、全編歌だらけでノリがいい。“アングリー・インチ”歌いながら大乱闘になるところとか、かわいいカツラの歌とか、楽しいー。

ただ、個人的にどうしてもヘドウィグの歌声が好きになれなくて、そこが残念ではあった。あの容姿は観ているうちになんとか慣れてきたけど、歌声は最後までなじめなくて…。かといって、あれ以外どんな歌声がヘドウィグにあり得るのか?と聞かれたら困るんですが。声が自分の好みだったら、サントラ欲しい~!とか叫んでたかも。それより、隣で歌ってるむさい髭面の声がやたらかわいくないか?と思ってたら、最後に正体が明らかになって呆然…。(あれ、役柄的にはあくまでドラッグクイーンになりたい男性、なのでしょうか…)

内容は、「プリシラ」みたいに思いっきりドラッグクイーンの世界なのかと思っていたら、もっと普遍的で、愛を追求する人間の切ない話だった。かなり哲学的、なのかも。自由のために性転換したヘドウィグは、歌いながら、常に自分の失われたカタワレを探し求めている。一度引き裂かれたカタワレと、再びひとつになろうとする痛みこそが、愛。

うーん。そんな恋愛観で生きてたら、人生しんどいだろうな、と思う。自分のカタワレはこの人だ!と思っても、相手にとっては違ったりするかもしれないし。ヘドウィグのあまりにもピュアでストレート(おかしな表現かもしれないが、あえてストレート)な生き方を見てると、こういう人って自分も辛いだろうし、周りを傷つけるだろうなぁ、と思えてならない。

話の中に、壁とか境界線のモチーフがたくさん出てくるのが暗示的だ。ベルリンの壁。国境。国の崩壊。ヘドウィグは東ドイツ生まれ。バンドのメンバーも(たぶん)みんな東欧出身。人種の差。性差。性転換手術に失敗し、性の境界線に立たされたままのヘドウィグ。

境界線は、自分のアイデンティティというやつを確かめるのに便利な道具だ。でも、どんな境界線をひいたとしても、そうやって分けたどちら側にも収まらない存在が必ず出てくる。世間のいうところの“はみ出し者”。そんなはみ出し者が自分の拠りどころを求める、心の叫び。ロックの本質って、そういうもんなのかもしれない…。最後にありのままの自分をさらけ出したヘドウィグが歌うナンバーを聴きながら、しみじみ考えてしまった。そんなこと、頭で考えるなよ、という感じかもしれんけど。

そういえば、話の中でむさい髭面が出演したがっていたブロードウェイミュージカル「RENT」も、映画版がそろそろ公開されるんじゃなかったっけ?観たいなー。
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