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「Kissing ジェシカ」

ここ2、3年、ディズニー関連が忙しくて他の映画がすっかりご無沙汰になっていたので、最近、数年間のギャップを埋めようとTSUTAYA通いを始めた。

今週観た「Kissingジェシカ」(原題:Kissing Jessica Stein)は2001年の作品。日本では2003年の春に公開された。(ちょうど私が「リロ&スティッチ」で手一杯になっていた頃だ。)NYを舞台にしたキュートなロマンチックコメディ、という一見ありがちな作品だが、予想以上にツボにはまってしまった。

**以下、ネタバレあり**

主人公のジェシカは、NYで働く独り暮らしの28歳。最近、自分はこのままずっと独りかも…?という漠然とした不安に襲われる。でも、性格的に妥協できない。(例えば、言葉を間違えて使うような知性のない男が許せない。)今の生活で自分が幸せだとは思わないけど、仕事をして社会に貢献してるという妙なプライドはある。頭が固くて、批判的で、神経質で、不眠症。
 
…何これ。全部あたしじゃん。ヤバイよこれ。

焦ったジェシカはとりあえずいろんな男に会ってみるが、どいつもこいつも論外。やっと出会ったマトモな人には、当然もう彼女がいる。同僚たちとの食事の席、お酒の勢いでつい愚痴ると、上司兼元カレの嫌味男に釘を刺される。「うまくいかないのは、男が悪いからじゃなくてお前のそういう態度のせいだ。」

アイタタタ…。笑えるけど、身につまされて痛~い。(えーでもあの論外男たちは、ほんとに論外だったし…^^;)

そんなジェシカがどうやって幸せにたどり着くのか?他人事とは思えず、ただならぬヤバヤバ感でのめり込んで観てしまったが、その答えは、ちょっと期待はずれだった。なぜって、ジェシカは恵まれすぎでズルイのだ。彼女は自分の殻を破るために、(彼女にとっては)かなり大胆な一歩を踏み出す。だけど、あとは、周りがうまく運んでくれた感じ。誰も彼女の邪魔をしたりしない。職場の雰囲気は元々楽しそうだし、いい同僚もいる。口うるさい母親は、いざという時は娘を信頼して真っ先に味方になってくれる。自分の思ったとおりを口に出して主張し合っても人間関係が壊れることなく、建設的な会話ができるNY気質も羨ましい。それに加えて、ジェシカは、絵を描くという素敵な趣味&才能までちゃっかり備えている。なんだよ。最初から幸せ行きのチケット持ってたんじゃん。ねぇ。

…ていう考え方がダメって言われてるんだよね。幸せになれないのを周りのせいにしたり言い訳してもなんにもならないって。誰でも自分の中に幸せになれる可能性があるんだって。わかってますハイ。

ともかく、ジェシカの踏み出した一歩は、とってもユニーク。彼女は、同性の恋人募集中の求人広告に応えてみるのだ。広告を出したのは、実はストレートで男に飽きただけのヘレンという女の子なのだが、異なる性格ゆえに意気投合したふたりは、本気でカップルになろうと努力する。まるで初恋みたいな奮闘が、かわいくておかしい。

同性愛が出てくるからといって、構えた感じがなく、とてもナチュラルな映画だ。それでいて、こうしたテーマを扱う上での繊細さも忘れてない。例えば、“にわかゲイ”を満喫するヘレンに、友人でゲイの男性が、ゲイに対する侮辱だと抗議する場面が入る。こういうバランス感覚って大事だと思う。確か、脚本&主演を務めた女性ふたりはヘテロで、監督は男性でゲイじゃなかったかな。この組み合わせがよかったのかも。

一般的にいって、男性よりも女性同士の方が、フレキシブルな関係になりやすいと思う。女友だちの親密さと恋愛の境界線って意外と曖昧。そもそも、友情と恋愛感情はまったく別物?セクシャル・アイデンティティって何?決して押しつけではなくて、さりげなく、考えさせられてしまった。

ジェシカの場合、このままヘレンとくっついて終わり、だと何か違うような気がして、かといって、よりを戻そうとしてきた元カレ嫌味男にあっさりOKしてもなんだしなぁ…と思っていたのだが、どちらも無難に回避。最後は、あー結局そうなるの、と都合のいい展開で、ちょうどいいところに着地して終わった。うーん、ジェシカはやっぱりズルイ。でも、コメディなんだもんね。ほどよくハッピーエンドがいいから、これでいいのかな。

こういうコメディが好きだ。奇抜ではない、ありそうな日常会話に、ケラケラ笑ってしまう。特に、女同士の会話のリアルなこと。そうそうそう、それわかるわかるって感じ。セレブな俳優はたぶんひとりも出てないけど、主役のふたりをはじめ、みんな芸達者で役にぴったり。ヘレンの友だちのゲイカップル、ジェシカの同僚とか、お母さん、おばあちゃんも最高だった。

それから、NYの風景もいい。ちょうどこの映画がアメリカで公開された頃、NYに卒業旅行に行ってたことを思い出した。あの時は、今の自分の生活がこんな風だなんて全然想像してなかったけど。ほろ苦い気持ちと同時に、なぜだか少し元気になれた気がした。
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