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「ラヴェンダーの咲く庭で」

海辺の村で静かに暮らす老姉妹と、ある日海岸に流れ着いた身元不明の若いヴァイオリニストとの出会いを描いたイギリス映画「ラヴェンダーの咲く庭で」(“Ladies in Lavender”)。自分好みのテイストじゃなさそうなのでそんなに興味はなかったが、付き合いで観て来た。

6月に上映が始まってこんなにロングランになっているのは、現実に起こったピアノマン騒動の効果だけじゃなかったのね。しみじみとしたいい映画だった。テンポがやや冗長だったり、音楽が大仰だったりという点は気に入らなかったけど、予想していたより堅すぎもせず、感傷的すぎもせず、心地よく楽しめた。

**以下ネタバレあり**

主役の姉妹を演じているのが大女優マギー・スミスとジュディ・デンチっていうから、それだけで恐ろしくって構えてしまったんだけど、この2人が実に自然に、素朴な田舎の老婦人たちになってるのよ。さすが。妹のジュディ・デンチは、孫でもおかしくない年のヴァイオリニストに恋してしまう役なんだけど、素晴らしくチャーミング。ちっともばかげてるようには見えず、ピュアな少女の初恋みたいで、本当にかわいらしいのだ。たまたま、この年齢になってから出会いがあったというだけ。決して叶わない想いであることを考えると切ないけれど、おばあちゃんになってもこんなふうに恋ができるって、素敵なことじゃない?それをそっと見守り、気遣う姉のマギー・スミスがまた素晴らしいこと。この2人じゃなきゃできない映画だね。ただ、相手役のダニエル・ブリュールはどうなんだろう…。顔はまあまあだけど、ヴァイオリンが似合ってないよー。もっと線の細い男の子がよかったな。

邦題になっている“ラヴェンダーの咲く庭”は大して出てこなかった気がするが、イギリスの田園風景が素敵。こんな所を旅してみたくなる。そこに暮らす人々の素朴な感じもよく出ていて、特に家政婦のおばちゃんはいい役だった。

時代設定は、第二次大戦間際。戦争の足音を感じさせつつ、話が大きくならないで終わったところがいい。たぶん好みの分かれるところだろうけど、とてもあっさりとしたラストが好き。観終わった直後は全く気にならなかったが、この映画って、結局あのヴァイオリニストの事情は何も明かされないままなんだよね。でも、人生ってそういうもの。この先老姉妹が、彼の事情を知ったり探ったりすることは決してないだろうから。そんなことより、彼と過ごした日々は、人生の1ページに大切に刻まれて、心の中で輝き続ける。いいなぁそういうの。

どうでもいいけど、現実のピアノマン騒動も、いい脚本で映画化されれば、かなりおもしろい作品になるんじゃないかと、ふと思う。もちろん、この映画とは全く違った方向で。
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