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「SUPER 8」

エミール・クストリッツァ監督の「SUPER 8」(Super 8 Stories:2001年公開)を観た。

先に「黒猫・白猫」(1998年)が観たかったんだけど、相変わらず近所のレンタル店では貸し出し中のため、とりあえずこっちから。…やっぱりやめとけばよかった。「黒猫・白猫」絡みのシーンが結構あったので。先に観ちゃったよぅ…て感じ。

それはともあれ、「SUPER 8」という作品は、クストリッツァが在籍するバンド“ノー・スモーキング・オーケストラ”のツアーの様子を、メンバーの生い立ちや移動中の映像などを挟みつつ追ったドキュメンタリー。タイトルの意味は、スーパー8カメラで撮ったお話、でいいのかな。最初、8人の超人的なミュージシャンが出てくる話かと勘違いしてて、もっと大勢出てきたのであれー?と思ってしまった(笑)

まあ、内容的には「エミールと愉快なおやじバンド」って感じでしょうか。

とにかく、ウンザ・ウンザさいこー!

クストリッツァ映画の、テンションの高いけたたましい音楽。あらゆるルーツとあらゆる感情をごたまぜにしたようなサウンドの正体が、ウンザ・ウンザ(Unza-Unza)。

正直、このジャンルが好き、とは言えない。例えば、部屋のBGMにしたいか、通勤時に聴きたいかといったら、絶対ノー。でも、好みの問題を超えて、このパワーには抗えない。クセになってしまう。一度聴いたら脳内にまとわりついて離れず、そのノリに身も心も任せちゃうしかないね、みたいな、濃いエネルギーなのだ。

バンドのメンバーが、また濃いーんだこれが。クストリッツァ作品に出てくる、現実離れしたような激しくて滑稽な人たち。あれ、大げさな演出なんだと思ってたけど、彼らはこれで“素”だったのね。風貌にしても感情表現にしても、そのまんま映画のキャラクターになれそうな、暑苦しくてヘンなおじさんばっかり。ボーカルの人なんか、実際「ライフ・イズ・ミラクル」とかにも出演してたらしいけど(どのシーン?)、カリスマ性あるし顔も格好いいし、そのまんま映画の主役張れそうな感じ。クストリッツァとドラムをやってる息子(「ライフ・イズ」の大尉役)との親子対決も、どこまで本気?映画用のネタなんじゃないの?と笑ってしまう。どうでもいいが、小さい頃の息子の映像、かわいすぎてヤバイ。

服装もバラバラ、超個性的なおじさんたちが、熱い演奏を繰り広げ、ステージを身軽にちょこまか走り回る様子は、なんだかもうこの世のものとは思えないような、不思議すぎな魅惑の世界だった。

一見お笑いかと思ってしまうようなパフォーマンスが、胸に迫ってくるのね。それは、彼らの音楽に対する真摯な姿勢ゆえ、なんて言ったら安直だけれど、生きる上での音楽の大きさが、半端じゃないんからなんだと思う。その社会的な背景を実感するのは難しいけれど、こんな演奏を生で体験しちゃったら、きっと自分の音楽観が変わるだろうな。もしかしたら、人生観も。

ストーリーやドラマを楽しめるものではないけれど、クストリッツァのエッセンスが凝縮されたような作品。映画の根底に実在していた世界を知ることができただけでも、自分にとっては大収穫。ラストのアコーディオン奏者の独奏と独白が、心に染みた。ああ、クストリッツァの世界。
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