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「メメント」

友人が今度紹介してくれるらしい人が好きな映画だというので、「メメント」(Memento: 2000年米公開)を観てみる。

最近ほのぼの系おバカ映画ばっかり観ていたので、レイプ犯に妻を殺された記憶喪失の男が復讐する話…と聞いただけでびくびくしてしまったのだが、あー別にハードボイルドじゃなかったのね。こういう映画だったとは知らなんだー。

話題作だったらしいのにこれほど予備知識がなくて、かえって幸いだったかもしれない。

***といいつつ、ここから遠慮なくネタバレするが***

「メメント」の主人公は、事件以来、10分以上物事を覚えていられないという短期記憶障害を抱えているので、観客にもこれを疑似体験させるため、映画は、短いシーン毎に徐々に過去へと遡っていき、最後に来る(時間的には最初の)シーンのさらに前にあったエピソードだけが順行していて、逆行する各シーンの間に細切れになって挟まれているという構造になっている。(あれ?ちゃんと説明できてる?)このカラクリが最初からわかっていれば、かなりすっきり理解できたような気がするのだが、何も知らずに観たもんだから?????状態。てっきり時間がカオス状態に入り乱れているんだと思って、筋を追うのに随分苦労してしまった。各シーンが前からのつながりなしに唐突に始まる、ということはまさに10分毎に記憶を失くしているようなもの。それがこの映画の狙いだろうから、まあ正しい観方ができたということなんだろう。

映画としての仕掛けがとにかくおもしろくて、うならされる。1シーン1シーンがちゃんと意味を持っていて、次の(時間的には前の)シーンのヒントになっていたりして。けど、こんなに頭の疲れる映画を観たのは初めてかもしれない。DVDだったからまだ、途中でわかんなくなったら戻ればいいという気楽さがあったけど(実際には、一度も止めたり戻ったりせず最後まで観れたが)、映画館で観ていたらもっと緊張感があって疲れていたに違いない。

いちいち写真を撮ったりメモを書いたり刺青まで彫って記録しようとする主人公の行動は、要領いいんだか悪いんだかって感じでもどかしくなるし。自分自身の記憶力の不確かさと相まって、余計いらいら。そういえば前にドキュメンタリーで、主人公と似たような症状の人の暮らしを見たことがあるけど、その人は常にボイスレコーダーを携帯して、自分がやったことやこれからやろうとしていることを吹き込み、聞き直すという習慣をつけていたっけ。現実にそんなふうに生活するしかない場合の苦労ははかり知れないが、この映画の主人公にもこの方法を教えてあげたい…と真剣に思っていたところ、そんな自分が間抜けに思えてくるオチが待っていた。なんだ…あんた、好んで不確実な方法を選んでたのね…。哀れといえば哀れな話だけど、観ていた方としてもなんともいえない虚しさが。

信用できない語り手というオチでも、例えば「ユージュアル・サスペクツ」なんかはわりと好きな映画だったのだが、あれは最後にドカンと真相が判明するからすっきりできたのだ。「メメント」のこの結末は…微妙だな~。すべてが不確かで、絶対的な視点がどこにもないというのは、ある意味映画における禁じ手だと思うんだけど。全部嘘かもしれないっていうのまでアリなら、拠りどころがなくてどんな解釈だって成り立ってしまう。それじゃ物語としてわざわざ提示する必要ってあったのか?と思うと…うーんうーんうーん。

たぶんこれって、映画に何を求めているかの問題なんだよね。価値観の違いというか。映画を観て頭を使ったり、あれこれ解釈をめぐらせるのが好きという人には、とてもおもしろい作品なんだと思う、きっと。私はどっちかというと頭をからっぽにして、気持ちを解放する目的で観たいと思っているので、感じ方が異なるんだろうな。

あ、でも価値観違っても気にしないので、紹介の件は予定通りよろしくね友人。
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