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Storytellers Cafe

「シンデレラ」プラチナ・エディションDVD

長年発売が待たれていた「シンデレラ」DVDがとうとう出ました。とりあえず、2枚組の“プラチナ・エディション”の方を購入。

<本編について>

以下ネタバレあり…っていうかいまさらネタバレっていうストーリーでもないか?

「シンデレラ」、まともに観たのってもしかしたら20年ぶりくらいかも。どうも50、60年代のディズニー映画は、あまり興味が持てないというか好きになれないんだけど…。

これが今から55年も前に作られたことを思うと、すごいわやっぱり。デジタル・リマスターで蘇った映像は本当にきれいで、今観ても動きは素晴らしいし、レイアウトは新鮮だし。あのシャボン玉のシーンとか、当時の技術で普通の神経じゃ作れないよね。

でもなにより衝撃的だったのは、シンデレラ、全然ラブストーリーじゃないじゃん、という事実。シンデレラと王子とのエピソードなんてほんの一瞬。目が合ってダンスして12時になってハイおしまい、みたいな。(しかし、星空の下で踊って月明かりの橋の上で語らうなんて、今じゃ恥ずかしすぎて誰も描けません。ピュアというか単純というか、ベタが通じた古き良き時代というか。)

それにひきかえ、ネズミとネコと犬の狂騒的攻防戦の長いこと長いこと。いや、動物が活躍するのは好きだし、ネズミも好きだけどさ…こんなにいっぱい出てきて超絶ベビーボイスで歌われるとさすがに頭痛くなるわ。犬猫は思いっきり不細工だし。どう考えても、動物絡みのシーンだけノリが別物。特典映像で、この部分を担当したのがナイン・オールド・メンの変人ウォード・キンボールってのを知って納得した。この人のカートゥーン、クレイジー過ぎて正直ついてけないのよー。

それでなくても、現在「シンデレラ」がプリンセス代表格として扱われてるのは違うよなと、改めて思う。シンデレラって姫じゃないし、王子と結婚したいとも思ってないし。ただ、最初に目の合った男と踊ってたらそれがたまたまプリンスだったの…って本当は計算だったんじゃないのか?という気はするが(笑)純粋姫の白雪姫やオーロラとくらべて、しゃべり方も身のこなしも庶民っぽくて、この時代にしては人間くさいヒロインだったんじゃない?何気に強気で口答えするし、文句つけるし、この娘なかなかやります。一番すごいのは、ガラスの靴が割れちゃっても顔色ひとつ変えないシーンでしょう。これが白雪姫なら失神。やっぱり、シンデレラはやり手。

原作にない、ガラスの靴が割れるくだりは秀逸だけど、惜しいのは、映像特典で紹介されてる少し捻ったエンディングが結局カットされて、単純なウェディングシーンで終わってしまったところかな。ボロ姿のままお城に連れてこられたシンデレラを、王子がためらいなく受け入れてハッピーエンドとなる予定だったらしいんですよ。当時の感覚でどうだったかはともかく、今ならその方が好まれるよね。少なくともお人形王子の株はあがってたはずだ。

<特典について>

プラチナ・エディションなんていうから、よっぽど特典映像が充実してるのかと思いきや、いきなり、音声解説がなくて拍子抜け。ちょっと、ジョン・ケインメーカーでもレナード・マルティンおじさんでも誰でもいいから、なんか解説してよって感じ。

でも、DISC 2の「製作の舞台裏」は、かなり満足できる内容だった。メイキング編は見応えがあるし、ナイン・オールド・メンへのトリビュートもよかったなぁ。彼らと働いた経験のある現代のクリエーターたちが集まって思い出を語るという企画で、おなじみグレン・キーンやアンドレアス・デジャ、珍しいところでは「Mr.インクレディブル」のブラッド・バード、うれしいことに久々に見るジョン・マスカー&ロン・クレメンツまで揃った大物メンバー。まあ、彼ら自身が相当オールド・メンになってきたな、というお姿でちょっと寂しい気もしますが…。その後に続く世代としては、クリス&ディーン、マーク・ディンダル、ジョン・サンフォードあたりがいるから大丈夫かな。全員異端児っぽいけど(笑)

コンセプトアートを手がけたメアリ・ブレアへのトリビュートも、心憎い。この人、ディズニーパークの“it's a small world”のデザインで有名だけど、アニメーション分野でもすごく影響力があったんですね。当時、女性で活躍していたアーティストって珍しいし、これからもっと評価される人じゃないかな。

未公開シーンやストーリーボードの紹介、ギャラリーなどお約束的な特典も、納得の充実度。当時のラジオ放送や1922年に作られた白黒の「シンデレラ」(シュールすぎて怖い)は相当貴重な資料だろうし。

と、ここまでの賛辞で終わりにしたいところなんだけど…。

残念というか腹立たしいことに、この他の映像特典と称するものが、ひどすぎて手に負えなくって、どうにもこうにも。こじつけすぎて理解に苦しむ“スポーツ界のシンデレラストーリー”だとか、女児ターゲットにプリンセスブームを露骨に売り込む“プリンセスのすべて”だとか。もう、クズ、としか呼べない。なんか、今のディズニーという企業の最低な部分をこれでもかと見せつけられたようで、久々にDVDを投げつけたくなったよ。こんなことで企業イメージを下げまくってることになんで気がつかないかなー。まったく恥ずかしい。

2枚組じゃなくてもいいから、本編とまともな映像特典だけで構成されてたら、何も文句なかったのに。次のプラチナ・エディションDVDは「わんわん物語」?なんだかプラチナ・エディションという言葉に信用がおけなくなってきて、正直、買うか微妙だな…。


あ、全然関係ないけど。

“Kronk's New Groove”(「ラマになった王様」のチープ続編DVD)ってガセかと思ってたら本当に出ちゃうんですか。うーん、予告だけで激しくつまんなそう(^^;

さらに全然関係ないけど…

「ターザン」ブロードウェイ化の後は、ラスベガスに進出?というJim Hillの記事を見て、即座にラメ衣装のゴリラが“My Way”を熱唱する姿が浮かび…それは「ジャングル・ジョージ」だと気づく今日この頃(^^;;
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