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クリスのピッチブック

夏の終わり頃になると毎年お約束のように風邪をひくのだが、今年も例外にはならず、連休中ほとんど外出できず(TT)

暇に任せて、先日言ってた「リロ&スティッチ」スペシャルエディションDVDに収録されてるクリス・サンダースのピッチブックを翻訳してみた。ほんのあらすじだと思っていたけど、意外と長かった…。

長い上に私のへっぽこ英語力による間違いもありそうでヘロヘロになるかもしれないけど、興味のある方はよかったら読んでみてください。

(完成版とはキャラ設定もストーリー展開も異なる部分が多いけど、共通してるところもあり、本編ネタバレの可能性は多分にあるのでその点はご注意を。)

クリス・サンダースのピッチブック

**以下ネタバレ**

どうですかね~これ。完成版とあまりにも違いが大きいから、別作品として読んでも楽しいかも。

個人的には、スティッチが中年ギャングっていうのがやっぱりしっくりこない、というかそりゃないだろーと思ってしまうんだけど。ギャングと少女の心の交流なんて、リュック・ベッソンの「レオン」並みにおやじ向けファンタジーじゃないですか。でも、読んでるうちに、ふてぶてしい中年モードの青コアラもこれはこれでアリかもね~なんて、惚れ惚れしてしまったり(笑)このままの設定で、スティッチが今のようなアイドルキャラになれたかどうかは激しく疑問だが…。

全体的に、完成版より荒々しくて、それでいて感傷的というか、クサイ部分が目立つ気はする。あくまであらすじなので、微妙なニュアンスや細かいユーモアを挟まずにドラマを語ろうとするとこうなるのかもしれないけど。<オハナ>という概念がまだ不在だったから、というのも大きいかも。改めてテーマが<オハナ>に行き着いてよかったなぁと。

それでも、この時点からベースにあるのはリロ&スティッチらしいユーモアと温かみのある世界観。ところどころにクリス印のおかしさが漂っていて、なんとなくにやり。そもそも、ハワイにこんなエイリアン(しかもこんな姿で悪者)がやってくるという設定だけでも破天荒でおかしいんだけどね。細かいところ、例えば、夜中に悪事を遂行中のスティッチが、途中でわざわざリロの部屋からエルヴィスのレコードを拝借してきてBGMにしながら作業するとことか、読んでるだけで笑ってしまった。

それから、最後にとあるアイテム(ピンク色のあれ)がものをいう展開について、映画公開時、後からとってつけたご都合主義だというクレームが聞こえたけど、これが実はこの時点から決まってたオチだったのね。他にも、意外に最初から決まっていたところ、後から大きく変わったところ、いろいろあって、これを読んでから本編を観ると、また違った見方ができて楽しそうだ。

そうそう、このピッチブックについているクリスの水彩画の挿絵はどれも素晴らしくかわいいので、未見の方はぜひぜひスペシャルエディションDVDでご覧あれ。
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「リロ&スティッチ2」

「リロ&スティッチ2」を観た。この続編DVDは、クリス&ディーン監督やフィーチャーアニメーション部門とは全く関係のない、ディズニー・トゥーンスタジオ(旧TVアニメーション部門)の製作で、今はなきオーストラリアのスタジオで作られたもの。

自分が元の映画「リロ&スティッチ」(以下、“オリジナル”と呼びます)を偏愛していることは充分自覚しているので、できるだけ偏りのない目と寛大な心で観たつもり。結果…まあ、レンタルで観る分にはよかったかな、という感じ。

感想を一言にするのが難しい。観なきゃよかったというようなひどい続編じゃないけど、心をつかまれるまでは至らなかった。ぶっとんだ設定でもないから、ツッコミ対象にもならない。観終わった後に頭に浮かんだ、力の入ったファン・フィクションという印象が、一番ぴったりくるかもしれない。オリジナルのようにはできないのはわかっていながらも、映画の世界観を大事にして、それをできるだけ再現しようとする姿勢が伺えた。

キャラクターアニメーションは、トゥーンスタジオ作品の中ではかなりいい出来。限られた予算と時間と人材で、オーストラリアのクルーが本当にがんばった成果なんだろう。まあ、これより前に出てるTVシリーズと比べたらこっちが素晴らしくきれいに見えてしまうっていうのは、ズルイと思うけど。リロもスティッチも、多少オリジナルのデザインから外れてはいるんだけど、時々、元の映画に挟んでもおかしくないくらいの瞬間がある。

最も努力が伺えるのが、フラのアニメーション。フラスクールの先生のボイスキャストで、自身がクム・フラ(フラの指導者)でもあるクネヴァ・ムックが振り付けを監修したらしく、ごまかしのないフラの動きが再現されていた。水彩のバックグラウンドも、オリジナルほど手が込んではいないものの、ところどころかなりきれい。特に、リロとスティッチがフラの練習をするシーンの最後に映る夕陽のビーチには、目を見張るものがあった。

フラのシーンもそうだし、全体に、現実のハワイを描こうという姿勢が伝わってくるところに好感が持てた。一番感心したのは、鶏が出てきたこと!カウアイ島って、本当にこれにそっくりな鶏がうろうろしてるのよー。

オリジナルに続いてマーク・ケアリイ・ホオマルが歌う、新しいテーマソングも好き。“ハワイアン・ローラーコースター・ライド”のダサすぎるアレンジバージョンいらないので、この歌のミュージッククリップを作って特典にしてほしかったな。


**以下、ストーリーのネタバレあり**


ストーリーに関しては、リロのキャラクターがなかなかうまく出ていた。スティッチとリロの共通性や、ナニとの関係もよく描けているし。ボイスキャストのダコタ・ファニングは、ダヴェイ・チェイスとは声質が違うけど、陰のある雰囲気はあってよかったんじゃないかな。

フラコンテストの衣装の話になって、作ってくれるお母さんがいなくて落ち込むエピソードは、いいところをついてると思う。ハワイでは、子どものフラの衣装はお母さんが手作りするんだと聞いたことがあって、リロはどうするのかな?ナニに裁縫は無理だろうし…と疑問に思ってたの。まあ実際は、近所の親切な人が作ってくれたりするんだろうけど。それから、リロが女神ペレにこだわるのは、クリス・サンダースのオリジナルの原案からもらったアイデアだろうな。

一方、スティッチの描き方は…なんかやだなぁ。キャースティッチカワイイ!キャースティッチカワイソー!って女子中学生に騒がせたい意図でもあるみたいな。この話で一番ひっかかるのが、「イイ子」「悪い子」っていう概念。“いい子レベル”のエピソードを変に膨らませすぎだと思う。オリジナルのコンセプトは、この世に根っからの悪人も善人もいない、誰でも困った面を持ってるけど、それを許して受け入れるのがオハナだ、というものだった。だから、スティッチが「イイ子」になろうと努力する話より、相変わらず悪ふざけもやらかすスティッチを、皆が受け入れることを学んでいく話にするべきだったんじゃないかな~と。(まあ、それじゃドラマにならんと思われたのかもしれないが。)

それから、スティッチって遺伝子実験で生まれた生命体でしたよねぇ…?充電が足りなかったから故障しちゃいそうです。っておいおいロボットかい??

クライマックスは、スティッチがリロの救出に向かったオリジナルの逆になる展開にした点はいいと思うんだけど、泣かせることを狙いすぎてて冷める。オリジナルのように感動できる話にしたかったのはわかるけど、それならもっとさりげなく、日常的でリアルな状況で心を動かす瞬間を作ってほしかった。この続編の後がTVシリーズの展開になるので、スティッチが無事なことは誰にでも明白だし、だいたい、ディズニーが稼ぎ頭を死なせるわけないじゃん(笑)せめて、リロがレバーの押し方を間違えていたとか、ちょっとしたオチのフォローが欲しかったところ。(それから、スティッチが壊れてる原因が判明した時点で、ジャンバがリロとスティッチに教えてあげてたら、こんなことにならなかったんじゃないの?という疑問は、やっぱり考えちゃダメですか?)

感動を狙ったクサさが目立ってしまうのは、オリジナルに存在していた特有のユーモアがないせいかも。とにかく笑いを狙ったシーンが、ことごとく笑えないのが痛々しい。オリジナルのユーモアのセンスは、どこかダークだったり奇妙で風変わりなところがクールだったんだけど、この作品では、すべてがただの子どもっぽいギャグになっちゃってるんだよね。ナニのSF料理を見てウケるのは、せいぜい小学生までだろう。まあ、オリジナルのストーリーチームの独特なセンスは真似しようと思って真似できるものじゃないから、無理といえばそれまでなんだけど。せめて、映画の最後の2分間に出てきた日常の笑いを、ひとつでも再現してほしかったな。

序盤のあたりではいい感じだったジャンバとプリークリーが、いつの間にか友情をにじませた泣かせキャラになっていくのもいただけない。というか、プリークリーとデイヴィッドって、もはやイラナイ人…。

だんだん文句ばかりになってきてアレだが、一番納得できなかったのはマートルの描かれ方だ。TVシリーズにも言えることなんだけど、リロ&スティッチの世界にこんなに意地悪な子は必要ないと思う。オリジナルのマートルは、けっこう好きなキャラだった。この子、別に底意地が悪いとかじゃなくて、ちょっと他の子よりマセてて、思ったことをズバっと言ってしまうだけなんだと思うの。子どもの世界に、必ずひとりはこういう子がいるよね。エラソーにしゃべっても、文法が間違ってたりとかしてかわいいのだ。もう少し大きくなって、何かのきっかけがあったら、リロとマートルは親友にもなれるんじゃない?と思っていたのに、この描かれ方は寂しすぎる。(そして、フラの先生はなぜ、リハーサルの時点でマートルの踊りのテーマを変えてやらなかったわけ?)

TVシリーズと違って、他の女の子たちが意地悪に描かれてなかったのはせめてもの救いかな。些細なことだが、TVシリーズでテレサって呼ばれてた子(黒いウェービーヘアの子)が、アレカって名前になってたけど。

日本ではまだ紹介されていないが、北米版DVDには、リロ&スティッチの新たなDVD作品の予告編が入っているそうだ。こちらはTVシリーズの完結編にあたるものだそうなので、「スティッチ!ザ・ムービー」と同じ系統になるんだろうな。これでようやくリロ&スティッチの続編ものに終止符が打たれるのかな?と、ちょっとほっとした。

「リロ&スティッチ スペシャルエディション」その3

さて、それではDISC 2の細かいインプレッションを…と思ったのだが、いろいろありすぎてまとまらないなので、“見られてよかったトップ10”を挙げてみることにした。

**「リロ&スティッチ」本編及び特典映像に関するネタバレあり**

1. ツナミ航空 <チャプター16、17、関連資料>
製作中に起きたテロ事件に似すぎているからという理由で、取り止めになった幻のクライマックスシーン。そういえば、今日で9.11からちょうど4年経つけど、アメリカではタブーとしてずっとお蔵入りになってしまうのかと思っていたので、こんなに早く世に出されるとは意外だった。(タブーといえば、初期バージョンの津波サイレンのシーンも、削っておいてよかったね…。)

ここを変更しなくちゃいけなくなって、本当に悔しかっただろうな、と思う。ガントゥの宇宙船で泣いているリロの前に、救出に来たスティッチたちが現れるシーン。雲の中から姿を現すのは、ジャンバの宇宙船より、ジャンボジェット機の方が遥かにインパクトがあるもの。テストスクリーニングで拍手が沸き起こったというのもうなずける。胸のすくような展開だった。

映画を観た時、クライマックスのチェイスシーンはちょっとSF的過ぎる気がしていたんだけど、ジェット機だったら何の違和感もないしね。この作品の、現実と非現実の微妙なバランスにぴったりで。

あの状況では、変更は本当に仕方のないことだったと思うし、完成した映画はあれで映画として完璧なのだからいいんだけど、クリス&ディーンがあんなに激しく口論までして仕上げた、思い入れの強いシーンだったんだなぁと思うと、切ない。

同時に、そこで落胆したままじゃなく、素早く頭を切替えて変更作業に取りかかる姿には心を打たれた。こういう仕事の仕方、見習わないといけないなぁ。

そうそう、口論してるシーンで、噂のココアパフが見られたことも何気にうれしかったり。製作中、クリスは大量のコーヒーとココアパフだけで生きてたという証言を思い出して、ああコレのことかと(笑)

2.クリスのピッチブック <関連資料>
映画の土台になった、絵本仕立てのプレゼン資料。数ページはメイキング本などで見たことがあったけど、これが丸々収録されていたのは感激だった。<オハナ>という概念に出会うずっと前に作られたものなので、決定的に欠けているものがあることは否めないけれど、完成版とかなり異なるストーリーはそれはそれでおもしろいし、荒削りながら、作品の土台となる世界観が感じられて興味深かった。クリスのイラストは最高。

ただこれ、日本語訳がついてないのは手抜きじゃないですか?せっかくの貴重な資料がもったいないので、時間ができたら翻訳してみようかと思ってる。いくらへっぽこな訳でも、何もないよりマシかなと。

3.ハワイロケ <チャプター4>
99年のリサーチ旅行の様子。見覚えのあるハワイの光景にわくわくした。

クリスたちが海岸で探してた“カヘレラニ”という小さな貝殻。カウアイ島のお土産屋さんに行った時、異常に高価で驚いたやつだった。ニイハウ島の特産物で、時々カウアイ島にも流れ着いてるんだって。それにしても、カウアイ島で昔の知人に偶然再会した話はすごい。

この旅行で撮った写真が関連資料で見れるのもうれしい。風景の切り取り方がアーティストっぽくて素敵。


4.ハリウッド・ホノルルプレミア <チャプター20>
当時、LaughingPlace.comで画像を見ては、いいな~いいな~と羨望していたイベントの、貴重な映像。そうそう、ハリウッドでは子ども向けのゲームコーナーなんかもあったんだよね。ホノルルのパーティー会場の、氷で作られたリロ&スティッチ像に感激。

華やかなイベントに緊張気味、監督なのに無名すぎて報道陣に相手にされないクリス&ディーン…。このあたりは、本当に彼らのサクセスストーリーを見ているみたいで楽しくなる。

そうそう、カンヌにまで行ってたのは初めて知った。当時のフィレンツェのディズニーストアの様子にも興味津々。

5.Surfing the Sanders' Style <関連資料>
クリンナップアーティスト用に作られた、クリス・サンダースのアートスタイル指南書。これもメイキング本に数ページだけ載っていたもので、全部収録されててうれしかった。描き方NG見本として載っている、アラジンスタイル、ヘラクレススタイルのスティッチがウケ。どうでもいいんだけど、ナニとムーランの違いを説明するページのあたりで、BGMが激しく緊迫してるのはなんなんでしょうか。ふたりがバトル始めるのかと思った(笑)

6.カメハメハ・スクール <チャプター18>
カメハメハ・スクールの子どもたちが歌う様子が、以前のDVDよりさらに多く収録されている。“ハワイアン・ローラーコースター・ライド”で踊る男の子が楽しそうだなぁ。指揮をしてた先生が、美しい風景をバックに、カメハメハ・スクールの素晴らしさを語る場面がとてもいい。作品のクルーと、製作に協力したハワイの人々との間に生まれた絆の強さにも感動。

7.マーケティング <チャプター19>
クリス&ディーンが映画の予告編などマーケティング部門にまで自分たちの意向を反映させていたのは聞いていたけど、まさか関連グッズまでチェックしていたとは…思わず、うちにあるオモチャたちをまじまじと見てしまった。ハズブロのフィギュアセット、確かにクリスが注文した通り、塔のついた砂のお城がついてる…すごいや。そういえば初期に出たグッズは、クリス&ディーンが好きそうな感じのが多いかも。

8.ジャンバの襲撃 <チャプター13、関連資料>
“暴力的すぎ”という非難を受けて変更になったシーン。確かに初期バージョンはディズニーらしからぬ激しさがあるけど、これはこれでおもしろいな。完成版で天井にお皿を投げて屋根が落ちてくるところ、そんな脆い屋根でいいのか!?と笑ったものだが、元々はプラズマ銃で撃ち抜かれてたのね。妙に納得。

このシーンを作り直す過程で、傑作“1ポテト、2ポテト…”のネタが生まれたというのがまたすごい。歌の終わりのところが思い出せなくて、クルーに電話をかけまくって聞くところが、ドキュメンタリーらしくて好き。

9.スティッチのレコーディング風景 <チャプター5>
スティッチを演じてるクリスがとにかくすごい。どこからあの声が出るのかいまだにわからん。元になってるのが、“みんなに嫌がられてた変な声”ていうのに爆笑。同じくスティッチに声を提供した、ディーンの愛犬セオドアちゃんのレコーディングも、かわいらしかった。

10.ジョー・グラントのインタビュー <関連資料>
ディーンさんと恩師である故ジョー・グラント氏との貴重な対談。ジョー・グラントの作品集が出てくるまではモノクロ映像というのがニクイ。彼の描いた自画像“シュレックを観た私”には爆笑。いくつになってもユーモアのセンスがあるっていいな。

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いろいろ書いたけど、一番うれしかったのは、もしかしたらもっと些細な部分かもしれない。

元々、クリス&ディーンや作品のクルーが話してる姿を見てるだけで興奮してしまうんだけど(危なすぎ?)、フロリダスタジオの日々の様子や、ミーティングの一こま、休暇を楽しむ姿、テストスクリーニングの思いがけない感想に呆然とする様子(笑)…そういう何気ない一瞬一瞬が、いとおしくて、ずっと見ていたくなってしまった。

全米公開の日、クリスが言ってた「なぜだかわからないけど、ナーバスというより悲しいんだ」という気持ちに共感。この映画に携わっていた日々が、本当に、特別な時間だったんだろうな。

「リロ&スティッチ スペシャルエディション」その2

「リロ&スティッチ」スペシャルエディションDVDの、DISC 2をざっと観終わった。

断片的な映像特典ではなく、2時間以上に及ぶひとつのメイキング作品。普通の映画作品のようにチャプターに分かれていて、各チャプターの終わりで、話題に関連する資料を観るか、そのまま次のチャプターに進むかという選択ができるようになっている。

あまりにも充実した内容なので、関連資料や細かい点については次回書くとして、今日はメイキング作品全体の感想を。

最近ディズニーのスペシャルエディションDVDは、メイキングに力を入れたものが多くなってきたが、今まで観たことのあるどんなメイキングと比べても、間違いなくこの作品が“No ka 'oi”(ナンバーワン!)

特典映像なんていうオマケ扱いじゃとてももったいない。ユニークなドキュメンタリー作品として完成している。これだけが1枚のDVDとして売られていたとしても、絶対買うよ。映画館で上映してほしいくらい。大げさだと思われるかもしれないが、途中で何度も声をあげて笑って、観終わった後は、ぽろぽろ泣いてしまった。

いい意味で、ディズニーらしくないところがおもしろい。

クリス・サンダース&ディーン・デュボア監督自身が、このメイキング製作にかなり携わったんだろうな。一見とりとめのないシーンや証言に、独特のリズムがある。なんだかアーティスティック。例えば、関連資料の方になるが、リック・スルーターがのんびり釣りをしながら水彩画について語るシーンの渋さ。クリス・サンダースのスケートボードのシーンは、ミュージックビデオの1ショットみたいに格好いい。(クールに葉巻をくわえて出てきたクリスが、けほけほっと煙にむせるのがまた、お約束だけど笑える。)クリス&ディーンが、マーク・ケアリイ・ホオマルに指導されて一生懸命フラのステップを踏んでみるエピソードは、まるでコメディ映画の1シーンだ。ヨーロッパのホテルのブレックファストでのプレッツェルやジャムの熱演(もちろんクリスの仕業)は、そのまんまシュールな短編作品になりそう。

今まで名前や文章でしか知らなかったクルーの何人かに、映像で出会えたのも新鮮だった。クリンナップアーティストのクリスティン・ローレンス・フィニーさん、素敵。アニメーターのバイロン・ハワードって、こんなに格好よかったんだー。驚くほど魅力的な人ばかり。

外見で人を判断しちゃいけないとはいうけれど、自分がいいと思う映画や音楽って、作っている人を見ても、素敵だったりする。逆に、この映画苦手だなぁとか、アニメーションでこのキャラクター受けつけないなぁなんて思った場合は、監督や監修アニメーターを見て、ああ、やっぱり苦手かも、ということが多いし。それは、顔かたちがどうこうって意味じゃなくて。生理的なもの、というと語弊があるかもしれないが、自分が好感を持てるものを作っている人からは、自然と惹きつけられるオーラが出ているという感じ。「リロ&スティッチ」の場合、関係者が揃いも揃って、自分にとって魅力的なんだよね。これだけ自分のツボにハマる映画になったっていうのも納得しちゃう。

ただ、当時のWDFAのボス、トマス・シューマッカーが映る度に、笑いを堪えられなかったのは事実。前に読んだJim Hillの記事で、ピクサーの「Mr.インクレディブル」に出てくる猫を助けてもらうおばあちゃんは悪意を込めて彼をモデルにしてるなんて書いてあったのを思い出してさー。確かにそっくりなんだもの。

それはともかく。このメイキングを観ていると、映画本編とは違う意味で、生きる力が沸いてくる気がする。仕事や日常生活がうまくいかない時は、誰にでもある。この映画を作った人たちも同じ。1984年にスティッチが誕生してから、2002年に映画が公開されるまでの苦労の数々。テストスクリーニングで期待した反応が返ってこないことに悩んだり、会心の出来だったクライマックスを変更せざるを得ない事件が突然起こったり。そんな中でも、新米監督コンビは、ヴィジョンを共有できる仲間や思いがけない協力者に出会い、人生の先輩に教えられ、困難を乗り越えて作品を育てていく。この一作で自分たちがディズニーフィーチャーアニメーションをリードする存在になろうとは、夢にも知らずに…。

そう、このメイキングは、「リロ&スティッチ」製作過程の実録であると同時に、クリスとディーンという、ちょっと(?)変わったクリエーターのサクセスストーリーでもあるのだ。

奇跡的な作品を生んだふたりと素晴らしき仲間たちに、そして、このふたりにチャンスをくれたディズニーに、改めてMahalo!

「リロ&スティッチ スペシャルエディション」その1

待望の「リロ&スティッチ」スペシャルエディションDVDが発売された。

もう…待ってたのはこれ、欲しかったのはこれ、必要だったのはこれだ!という感じ。まるで、「おあずけ」をくらったまま3年間も放置されてだらだらよだれを垂らしていた青コアラ犬が、ようやく好物のエイリアン模様の緑色のもも肉にありつけたかのような…(笑)

まだ全部を見たわけではないけど、とても語り尽くせないくらい充実した内容なので、とりあえず今日は、DISC 1の音声解説についてだけ。

いろんなスペシャルエディションDVDの中でも、「音声解説」はいつも一番好きな特典なんだけど、今回のが、これまで観たことのあるDVDの中で贔屓目なしにベストな解説だった。思い入れのある作品だからという点を差し引いても、パーフェクトな内容。

製作者による解説って、中には、内輪ネタが多かったり、ひたすら自画自賛だったり、流れているシーンと関係のないこだわりを延々と話されたり、解説者がだんだん作品に引き込まれて口数少なくなっていったり(笑)なんてことも多かったりするんだよね。(それはそれでまたおもしろいんだが。)でも、クリス・サンダース&ディーン・デュボア監督とプロデューサーのクラーク・スペンサーの3人による解説は、観ている側にとても親切。まさにかゆいところに手が届くような、充実しまくりの内容だった。(そう、画面には監督ふたりの名前しか書かれてないんだけど、スペンサーさんも参加してます。書いてあげようよ、いい人なんだから…)

とにかく3人とも、しゃべるしゃべる。かなりの早口で、言葉がほとばしるかのように語り続けてくれるのだ。(その分、日本語字幕は端折り気味。)あからさまな賛辞は控えているけど、作品への真摯で誠実な思いが伝わってくる。それだけに、時々思わずこぼれる「ここが気に入ってる」というコメントに、いっそう強い愛着と誇りが感じられたり。

監督2人がストーリー部門の人だけあって、技術的な話よりストーリー内容に関する解説が中心だったのも、個人的にはうれしかった。お互いが担当したシーンをさりげなく褒め合うクリス&ディーン監督の友情にもじーんときたし、かと思えば突然、はじけたようにキャラクターのアテレコ大会が始まったのには笑ったし、エンドクレジットのあたりの感極まったような様子にはこちらも熱くなってしまった。

以前どこかに書いたように、この解説は、最初に発売されたDVDに収録される予定で、製作が終わってまだ日が浅い頃に録られたもの。そのせいもあるのか、他のインタビューやメイキング本に書かれていたことと一致する話だったのでほっとした。(けっこう、その場その場でコメントが変わっちゃって矛盾が出てくる場合って多いから。)これで、ファンサイトのプロダクションノートなんかも書き直さなくて済みそう。

もちろん、すでにどこかで知っていた話ばかりというわけじゃなくて、新しいエピソードや発見もたくさんあった。監督自身が「完成後の今でも新たな発見がある」なんて言ってるくらいだから、当然よね。

以下、そんな発見のいくつかを、思い出した順に。

(これから音声解説を聞く方は、楽しみを損なってしまうかもしれないので読まないでね。)
(あんまりにも衝撃的?な部分だけ、反転しないと読めないようにしてます。)

・初期の設定では、スティッチの正体は中年ギャングだった!!!(最も衝撃的だった新事実)
・ダヴェイ・チェイスがリロの声に選ばれた決め手は、どこか陰のあるしゃべり方だった(納得)
・動物保護センターにいるワンちゃんのうち2匹は、ディーン監督のペットがモデルで、スティッチの声の一部にも使われていた(DISC 2でディーン監督と共にいるワンちゃんたちの姿が見れます)
・コブラ・バブルスには、たぶん殺人歴がある byクリス監督(これもかなり衝撃的)
・スクランプの表情に注目!(芸が細かいな~)
・ブルーパンチのシーン、デュークのポスターの表情にも注目!(びっくり!)
・ナニが“アロハ・オエ”を歌うシーンは、声を演じたティア・カレルの提案だった。
・リロの家族の写真がキーアイテムとして使われるのは、アート・ディレクターのリック・スルーターの発案。
・ディーン監督のファミリーネームは、「デュボア」でよかったみたい(ご本人がそう発音してたので)
・そんなディーン監督は、A★TEENSの熱狂的ファンだった(笑)
(エンディングのあのポップな曲、プロモーション部門のしわざじゃなかったの?)

その他の特典については、また改めて。ゆっくり鑑賞する時間が欲しい~。

リロ&○○○○○2

…なんか突然思いついてしまったもの。

♪Lilo's Shop of Horrors♪
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口の形状が似てたんで、つい…
(そういやTVシリーズにも、こんなような植物系ポケモ試作品出てこなかったっけ?)

ちなみに、口の中から聞こえてくるのは、エルヴィスのレコード…とは何の関係もない、エルヴィスもどきなスティーブ・マーティンの歌みたいです(とほほ)

そしてここだけの話、リロとオードリッチはとっても気が合いそうだったり(汗)

でもさすがにまだ5歳の子ですから、出会ったエイリアンがグリーンじゃなくてブルーの子でよかったね、ということで(^^;;

ジオラマフィギュア

サークルKサンクスで、コカコーラ社製品の500mlペットボトルにディズニーチャンネル関連のフィギュアがついているキャンペーン実施中。ミッキー仲間、プー仲間、リロ仲間の全12種類。

TVシリーズのリロ&スティッチは自分の中で対象外ではあるんだけど、写真で見たらリロもスティッチも映画の頃のデザインでかわいかったので、欲しくなって行ってみた。

しかしこれが、中身の見えない袋入り。当てモノ系に弱すぎることが過去に充分すぎるほど実証されている(ハッピーミール、ガチャポン、チョコエッグ…涙)自分には厳しいな~と思いつつも、飲み物なら買っておいて困らないからいいや、と軽い気持ちで、とりあえず3本購入。触って選ぶほどの気合もなく、手前から3本。

家に持ち帰って開けてみると、なんといきなり、リロ!めったにない幸運におののきつつ、(これでスティッチが出なくて、ひと夏分くらい買いまくる展開になったりしてね…)と、つい暗い方向に考えながら2つ目を開けると、なんとなんとスティッチ!!どうしちゃったの私?ささやかなことだけど、自分にはあり得ないツキにびっくり。

本当は、あとピンクの子がいて3つでステージになるんだけど、最初から欲しいと思ってなかったし、ふたりだけでも不自然じゃないので(というか自分基準ではふたりだけのが自然)問題なし。3本目は、ミニーちゃんだった。これがリスだったら完璧だったけど、そこまで運がよかったら怖くなりそうだし(小心者)調子に乗って買い続けると泥沼にはまるに違いないので(過去からの教訓)、これで終わりにしよう。

ちっちゃいけどかわいいなぁ。わーい。

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